令和2年度 阪和記念病院 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 0 3 21 24 67 136 245 496 539 166
脳血管疾患、循環器疾患、腎疾患(血液透析)の治療に特化しており、脳卒中等の脳神経外科疾患及び狭心症、心筋梗塞等の循環器疾患での入院患者が約72%を占めています。そのうち約70%が70歳以上であり、60歳以上においては85%を占めています。
平均年齢は74.2歳(男性:70.6歳、女性:78.2歳)でした。前年度と大きな変化はみられません。

診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科(心臓血管センター)
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050130xx9900xx 心不全 手術なし 81 26.23 17.23 13.58 83.63
050050xx9910xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 心臓カテーテル検査あり 71 3.55 3.07 8.45 70.68
050050xx0200xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈形成術等の手術あり 54 8.65 4.44 3.70 76.09
050030xx97000x 急性心筋梗塞 経皮的冠動脈形成術等の手術あり 33 12.12 12.09 9.09 67.20
050130xx9901xx 心不全 手術なし 手術・処置等21あり 32 28.97 18.64 6.25 80.25
当科では、虚血性心血管疾患(狭心症・心筋梗塞・末梢動脈疾患など)、心不全、動静脈疾患、不整脈、成人病疾患(高血圧・脂質異常)など、あらゆる心臓血管疾患に幅広く対応できる体制を整え、循環器疾患専門医が24時間体制で常駐し、救急搬送を含め365日受入可能体制で早期発見・早期治療に努めています。
心臓血管疾患は再発率が高いという特徴があり、当科においても心臓カテーテル検査のみの症例数が最も多くなっています。心臓カテーテル検査において冠動脈に高度狭窄が認めらた場合は、引き続き血管拡張術やステント留置術等の治療を行います。令和2年度年間治療実績は心臓カテーテル検査が290症例あり、そのうち血管内治療に至った治療実績は131症例あります。
上記DPCコード別をみても、狭心症や心筋梗塞に比べて心不全の平均年齢が81.18歳と高齢であることが示されており、前年度と比較して心不全の治療実績が増加しています。昨年度より下肢閉塞性動脈疾患への治療も積極的に行い治療実績も増加しております。
脳神経外科(脳卒中センター)
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010230xx99x00x てんかん 手術なし 79 9.38 7.48 8.86 66.85
010060x2990401 脳梗塞(発症3日以内、入院時JCS10未満) 手術なし エダラボン注射あり 68 21.93 15.64 33.82 69.79
160100xx99x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 手術なし 66 15.79 8.18 12.12 78.68
160100xx97x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 手術あり 54 13.33 9.68 9.25 82.00
010040x099000x 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満) 手術なし 47 27.38 18.86 40.43 70.02
当科では、脳神外科疾患専門医が24時間体制で常駐し、救急搬送を含め365日脳卒中の急性期病変に対する早期治療に努めています。
脳梗塞発症後4.5時間以内症例に適応の血栓溶解療法(t-PA製剤)や、場合によっては緊急での血管内治療および開頭手術も迅速に対応しています。脳梗塞の治療で当院症例数が最も多いのは、脳保護療法(エダラボン注射液)による治療です。また既往症に応じ抗血小板療法(オザグレルナトリウム注射液)や抗凝固療法(ヘパリンナトリウム注射液)などの治療となります。令和2年度治療実績では、血栓溶解療法(t-PA製剤)8症例、血管内治療としての血栓回収術26症例と多くの症例実績があります。
脳梗塞症例において発症後3日以内で意思疎通が取れる状態の早期治療開始症例では約67.6%が30日以内の入院期間であり、約66%が居宅(自宅若しくは老人ホーム等の福祉施設)への退院です。約31.3%が他の医療機関への転院であり、そのうち約92%が回復期リハビリテーション病院での継続リハビリによる機能回復を目的に転院となっています。また上記以外では、脳出血・くも膜下出血の治療において年間118症例の治療実績があります。
脳神経外科(脊椎・脊髄センター)
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
070343xx97x0xx 脊柱管狭窄(脊椎症を含む。)腰部骨盤、不安定椎 椎弓形成術、椎弓切除術あり 27 26.30 16.10 3.70 73.26
070350xx02xxxx 椎間板変性、ヘルニア 椎間板摘出術 後方摘出術あり 20 26.25 14.28 0.00 57.80
070341xx020xxx 脊柱管狭窄(脊椎症を含む。)頸部 椎弓形成術、前方椎体固定術等あり 16 46.88 19.90 18.75 64.88
070343xx99x0xx 脊柱管狭窄(脊椎症を含む。)腰部骨盤、不安定椎 手術なし 13.34
070343xx01x0xx 脊柱管狭窄(脊椎症を含む。)腰部骨盤、不安定椎 後方椎体固定術等あり 20.40
当院では、脳神経外科医師による脊椎・脊髄疾患の外科的治療を行っています。平均年齢は66.9歳ですが、20歳~94歳までの幅広い年齢層の手術実績があります。
脊柱管狭窄症の入院期間は、腰部の場合22日前後、頸部の場合40日前後となります。当院内には地域包括ケア病床があり、急性期治療(手術等)後に地域包括ケア病床にて集中したリハビリ治療を行いご退院いただきますので、在院日数の全国平均と比較して少し長めになっています。
椎間板ヘルニア疾患においては手術症例の平均年齢が58歳で前年度と比較してほぼ変わりなく、腰部脊柱管狭窄症における手術症例の平均年齢は73歳で前年度と比較して1歳若年化しています。
人工透析科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110280xx9900xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし    ― 11.04
110280xx9901xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等2あり 副傷病なし 14.01
110280xx03x0xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 経皮的シャント拡張術・血栓除去術等あり 4.51
110280xx9903xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等2あり 副傷病あり 17.84
110280xx03x11x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 経皮的シャント拡張術・血栓除去術等あり 手術・処置等2あり 副傷病あり 27.45
48台の血液透析機器を設置し、約100名の維持透析患者の治療にあたっています。午前・午後の1日2クールとなっており、通院困難な患者様には車での送迎も行っております。脳神経外科および循環器科との迅速な連携体制が確保されていることが当院の特徴であり、脳血管疾患や循環器疾患を併発された場合でも、一貫した治療が可能となります。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌
大腸癌
乳癌
肺癌
肝癌
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
脳血管疾患、循環器疾患、腎疾患(血液透析)の治療に特化した医療機関であることから、5大癌に対する診断・治療の必要な症例に対しては、専門の医療機関をご紹介させていただきます。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症
中等症
重症
超重症
不明
当院は脳血管疾患及び循環器疾患を主とした専門病院であるため症例数は少なく、重症度分類はA-DROPスコアを用い、軽症~超重症の4段階で評価しています。今年度つきましては該当する患者数が10件未満の為、指標の公開はしておりません。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 306 38.10 76.33 34.64
その他 58 26.40 76.44 29.31
当院脳卒中センターの治療実績のうち脳梗塞の治療は約37%を占めています。一番多いのはアテローム血栓性脳梗塞、心原性脳塞栓症、ラクナ梗塞といった病名があります。そのうち約84%が、発症から3日以内に治療を開始できており、早期に専門治療およびリハビリテーションを開始することにより、20日程度で59%近くの患者様が居宅(自宅若しくは老人ホーム等の福祉施設)へ退院されています。また脳卒中地域連携パスにより、継続したリハビリ治療が提供できるよう回復期リハビリテーション病院への転院をご紹介しています
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科(心臓血管センター)
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 46 19.30 12.07 19.56 75.39
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他) 44 4.70 6.25 4.54 75.36
K5491 経皮的冠動脈ステント留置術(急性心筋梗塞) 28 0.04 17.64 3.57 70.64
K5492 経皮的冠動脈ステント留置術(不安定狭心症) 23 0.17 11.57 13.04 71.87
K5972 ペースメーカー移植術(経静脈電極) 10 4.60 15.90 10.00 76.70
循環器疾患専門医が24時間体制で常駐していますので、夜間・休日の緊急手術も対応可能です。令和2年度の狭心症、慢性虚血性心疾患および心筋梗塞に対する冠動脈カテーテル治療の症例数が年間131症例あり、約20%が予約入院で約80%が緊急・予定外入院となっています。次いで下肢閉塞性動脈硬化症に対する血管拡張術・血栓除去術では、約72%が予約入院で約28%が緊急入院となります。徐脈性不整脈に対する心臓ペースメーカー植込術や頻脈性不整脈に対する経皮的カテーテル心筋焼灼術も行っております。
脳神経外科(脳卒中センター)
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 39 0.95 12.21 10.25 81.05
K178-4 経皮的脳血栓回収術 22 0.55 39.18 50.00 81.77
K609-2 経皮的頸動脈ステント留置術 15 3.60 17.00 26.67 73.60
K1781 脳血管内手術(1箇所) 12 0.67 67.92 25.00 64.67
K1692 頭蓋内腫瘍摘出術(その他) 11 6.82 18.64 18.18 69.18
脳神経外科疾患専門医が24時間体制で常駐していますので、夜間・休日の緊急手術も対応可能です。頭部打撲により発症する外傷性硬膜下血腫に対する穿頭血腫除去術の症例数が最も多く、平均年齢が81歳と高齢者の発症が多くなっています。次いで症例数が多いのは脳梗塞の超急性期治療法の一つである経皮的脳血栓回収術においても低侵襲な治療であることから、当院では症例数が多い手術となります。脳梗塞に至る可能性が高い脳血管の狭窄に対しては早期発見・早期治療を目標とし経皮的頸動脈ステント留置術等の脳血管内治療も積極的に行っています。
脳神経外科(脊椎・脊髄センター)
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K1425 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(椎弓切除) 26 2.15 21.73 3.85 70.69
K1342 椎間板摘出術(後方摘出術) 20 2.40 24.55 0.00 59.15
K1426 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(椎弓形成) 12 9.00 39.50 25.00 73.58
K1421 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(前方椎体固定)
K1423 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(後方椎体固定)
脳神経外科医師による脊椎手術を行っています。神経が圧迫されて起こる手足の痺れや歩行障害、感覚麻痺等の自覚症状があり、保存的な治療では改善しない場合、外科的治療を行います。脳脊髄腔造影剤使用撮影(ミエログラフィー)を行い神経が圧迫されている部位を確認します。その後椎弓形成術や椎弓切除術といった除圧術を行います。除圧だけでは再発する可能性がある場合や、脊椎が不安定になってしまう場合は、脊椎固定術を行います。術後歩行可能となるのは腰椎の手術であれば当日から、また頚椎の手術であれば3日目から可能です。約1か月前後の入院期間でリハビリ療法を行いご退院していただきます。
人工透析科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K635 胸水・腹水濾過濃縮再静注法
K616-41 経皮的シャント拡張術・血栓除去術(初回)
今年度における手術実績件数が10件未満の為、指標の公開はしておりません。
血液透析を受けられている患者様にとっては、動脈と静脈を吻合したシャントはとても大切なものです。永く利用できるよう定期的にシャントエコー検査を行い血管の状態を確認し、必要があれば経皮的シャント拡張術・血栓除去術を行います。また合併症として下肢動脈硬化症も多くみられることから、下肢動脈エコー検査も定期的に行い、下肢動脈血管拡張術・血栓除去術も行っています。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一
異なる
180010 敗血症 同一
異なる
180035 その他の真菌感染症 同一
異なる
180040 手術・処置等の合併症 同一
異なる
症例数がそれぞれ10件以下の為、詳細は表示しておりませんが、0.5%以下の発生率であり、全身状態の悪化による抵抗力・免疫力の低下等による症例が見られます。
更新履歴
20210924