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医療関係者の方へ 第12回住吉病診連携カンファレンスレポート

第12回住吉病診連携カンファレンスレポート

  • ホテルモントレグラスミア大阪にて

  • 第12回 住吉病診連携カンファレンスの様子

  • 第12回 住吉病診連携カンファレンスの様子

医療法人錦秀会では地域のかかりつけ医の先生方やコメディカルの方々と「阪和記念病院」と「住吉総合病院」の医師らが、最新の医療情報について研鑽する「第12回 住吉病診連携カンファレンス」を2月22日、大阪府のホテルモントレグラスミア大阪で開催し、72名の皆様にお集まりいただきました。 この病診連携カンファレンスでは、ご紹介いただいた患者様の症例報告、最新の病気に関する話題、日常の診療で役に立つ情報など多岐にわたる演題を提供いたしております。 日頃お世話になっている地域医療機関の先生や医療に携わる皆様との交流を深めるべく、年に2回の割合で開催いたしております。

開会のご挨拶:阪和記念病院 種子田 護(理事長代行)

カンファレンス開催に先立ち、阪和記念病院 種子田 護 理事長代行からご挨拶をさせていただきました。

症状事例:1症例目

  • 座長:阪和記念病院 種子田 護(理事長代行)

  • 演者:脊椎センター 湯口 貴導(院長補佐)

  • 演者:脊椎センター 湯口 貴導(院長補佐)

第1例目は、阪和記念病院の種子田 護 理事長代行を座長に、湯口 貴導(院長補佐)から「経皮的内視鏡下ヘルニア摘出術の導入」に関して発表しました。 脳外科の手術は脊椎・脊髄疾患を含めて侵襲が大きいのが欠点です。いかに低侵襲に手術を行うかが重要なテーマであります。平成17から平成25年かけて脊椎センターで行った脊椎ヘルニア手術件数は1,618件にも及びます。これまで脊椎・脊髄ヘルニア疾患に関する微小侵襲脊椎・脊髄外科手術と呼ばれる、顕微鏡や内視鏡下での手術を経験してきましたが、やはりこれでも約2~3cmの皮膚切開をしなければなりません。そこでもっと低侵襲でできないかと考え、阪和記念病院で新たに導入した“PELD”と呼ばれる新たな方法につき具体的に解説しました。PELD(percutaneous endoscopic lumber discectomy)とは、経皮的内視鏡下ヘルニア摘出術の略です。 PELDの利点は、7mmの皮膚切開で施行可能/局所麻酔で施行可能/出血量が少ない/再発例に対しても施行可能/短期入院(3日間)/神経損傷などの合併症の回避などがあげられ、とにかく安全であることを強調しました。そして、実際に腰椎ヘルニアの再発に悩む症例に対してPELDを行った症例報告を具体的に動画を交えて丁寧に説明させていただきました。ポイントは透視下で特殊色素を用いて椎間板を染色し、安全かつ確実にヘルニアを摘出するが可能であることを強調しました。大阪市内では阪和記念病院でしか行っていないこの手術法を住吉区から大阪市内に発信していきたいと話を提案いたしました。

症状事例:2症例目

  • 座長:阪和記念病院 心臓血管センター 橋村 一彦(センター長)

  • 演者:阪和記念病院 心臓血管センター 木田 公裕(医師)

  • 演者:阪和記念病院 心臓血管センター 木田 公裕(医師)

2症例目では、阪和記念病院 心臓血管センター 橋村センター長を座長に、「超高齢化社会における心血管疾患急性期治療の現状」と題して、心臓血管センターの木田(医師)が発表しました。 65歳以上を高齢者と定義しますと、わが国ではその比率が全体の21%以上を占める超高齢化社会をまさに迎えようとしております。日本では同時に心血管疾患が急増しており悪性新生物を凌ぐ勢いです。 木田医師の方からは当院における急性期心疾患の現状とこれからの示唆について話しました。 高齢者の疾患・病態の特徴は、複数疾患を併発していること・非定型の症状・腎機能低下例が多い事・薬物加療が複雑であることなどから単一の専門医師では対応できず、総合的加療が必要であることを強調しました。 また、老年症候群とよばれる、高齢者に多く見られ、様々な原因や症状が連鎖的に関連して悪循環を生じる症候群があります。主な症状に、認知症、せん妄、うつ、眩暈、骨粗鬆症、転倒、尿失禁、食欲不振などがあり、生活/精神/社会/環境面の様々な角度から捉える必要があることを提言しました。当院で急性期に入院される患者様の50%が急性非代償性心不全、34%が虚血性心疾患であり、症例報告から高齢化社会における心血管疾患の特徴を述べました。高齢者の急性非代償性心不全の特徴として、現時点で治療方法が確立していないこと、認知症・筋力低下・貧血・腎機能低下などの併存疾患の合併が多く、入院中の腎機能悪化症例が多いことをあげました。入院中の腎機能悪化 (WRF: worsening renal failure) は心不全の予後規定因子であり、これまでの利尿剤では治療が難しく新規利尿薬の併用など新規加療の提案をしました。 一方、高齢者の虚血性心疾患の特徴として、①症状が非典型的である②多枝病変が多い③非ST上昇型心筋梗塞やショック例が多く、④多臓器不全や悪性腫瘍の合併例が多いことをあげました。高齢者においても重度心筋虚血症例においては、経皮的冠動脈形成術や冠動脈バイパス術などの血行再建は大きな利益をもたらすために積極的に加療する必要性について説明いたしました。 最後に、高齢者における急性期心血管疾患が急増しております。薬物加療、老年症候群や腎機能悪化など注意すべき点が多く、それぞれの患者様に応じた総合的評価が必要であり、多方面からの加療が必要であると強調しました。 実際に会場フロアの皆様からもどこまで加療すべきか?エンドポイント(QOLなのか予後なのか)はどこにおくべきか?身よりのない方の治療方法など多数の質問がありました。心不全加療の難しさ、心不全末期患者におけるホスピタルケアや家族力、老衰の概念など、いまだ結論が出ていない大変難しいコアな問題に切り込むことで、これからわが国が取り組むべき問題の重要性を改めて再確認いたしました。

症状事例:3症例目

  • 座長:阪和住吉総合病院 板橋 司(病院長)

  • 演者:阪和住吉総合病院 消化器センター 上嶋 弾(内科部長)

3症例目については、阪和住吉総合病院 板橋 司(病院長)を座長として、阪和住吉総合病院 消化器内科 上嶋 弾(部長)が「B型肝炎で地雷を踏まないために」を発表しました。 上嶋医師は、全診療科の医師が知るべき内容で特記すべきトピックスとして、B型肝炎患者を日常臨床で加療する際によく起こりうる診療上の注意について説明しました。B型肝炎キャリアの自然経過で約30%再活性化することやステロイド療法、免疫抑制剤や化学療法使用によるB型肝炎劇症化の症例報告が相次いで報告されており、我に身近な疾患になってきているという現状を疫学から示しました。そしてこれまでの数多くの大規模臨床試験の報告により、実際に我々医療従事者が現場で免疫抑制薬を使用する際にどのような患者様に起き得るのか?何に気を付けてどう対応すべきか?などを明快にご説明させていただきました。一度B型肝炎に既往すると肝細胞の核内にウイルスの一部(cccDNA)が取り込まれるために、免疫抑制剤などの治療により慢性B型肝炎キャリア患者の再活性化やB型肝炎既往感染患者の新規肝炎を引き起こす惹起する可能性があること、一旦発症すると劇症化しやすく死に至るケースも多いために注意を喚起しました。最後に、免疫抑制剤や化学療法治療を開始する前に日本肝臓学会ガイドライン(免疫抑制・化学療法により発症するB型肝炎対策ガイドライン)に従ってスクリーニングが必要であり、B型肝炎に関するいずれかのマーカーが陽性の場合は肝臓専門医に是非紹介をするように提言しました。 実際に会場フロアの皆様からも水平母子感染予防に対するB型肝炎予防接種、セレスタミンや吸入ステロイド剤などの治療の際にスクリーニングの必要性の有無など広範囲にわたる多数の質問がありました。この問題に対する皆様の関心の高さを実感いたしました。

症状事例:4症例目

  • 演者:阪和住吉総合病院 消化器センター長 金井 陸行(副院長)

最後に、阪和住吉総合病院 消化器センター長 金井 陸行(副院長)から「消化器癌治療の現状」という題目で発表いたしました。2008年に阪和住吉総合病院 消化器センター長として赴任してから今までの5年間、阪和住吉総合病院で行われた消化器癌治療における総括をしました。 はじめに胃癌について総括いたしました。胃癌のステージ病期分類について簡潔明瞭に説明いたしたあとで、当院胃癌症例の特徴につき述べました。全手術症例170例の内、約39%(68例)が住吉区医師会の皆様からのご紹介でした。当院の特徴としては、全国と比較して進行胃癌の症例数が多いことです。初診時に早期の段階でもなんらかの症状がある症例が多いです(68%)。但し、早期胃癌が低いこと、胃癌の予後が悪いこと、些細な症状に加えて無症状の患者様の早期発見例が多いことなどから、たとえ症状がなくてもスクリーニングする事の大切さを訴えました。 次に結腸癌・直腸癌について総括いたしました。 結腸癌全手術症例189例の内、約60%(113例)が住吉区医師会の皆様からのご紹介でした。初診時症状がある方は66%でした。直腸癌全手術症例96例の内、約51%(49例)が住吉区医師会の皆様からのご紹介でした。初診時症状がある方は74%でした。結腸癌・直腸癌の早期発見・早期治療の重要性を疫学・検診の観点から示しました。結腸癌・直腸癌の危険因子は、食生活・脂肪食摂取・肥満・糖尿病・家族歴です。 一般検診で行われている便潜血検査については、陽性率 5~10%、 癌陽性率 0.1~0.15%であり、実際に10,000人検査すると500~1,000人が陽性になり、その中で10~15人が癌である可能性があるということになります。しかし早期癌で50%、進行癌でも10%が陰性であり、便潜血反応陰性でも決して安心してはならない事を訴えました。たとえ無症状でもスクリーニングによって早期発見・早期治療を行うことが大事であるために、危険因子のある患者様に関しては消化器専門医に是非紹介をするように提言いたしました。

閉会のご挨拶:阪和住吉総合病院 板橋 司(病院長)

阪和住吉総合病院 板橋 司 病院長からご挨拶をさせていただきました。

フロア会場からの活発な質疑応答などの様子

フロア会場からの活発な討論や質疑応答の後、閉会といたしまして阪和住吉総合病院 板橋 司 病院長から、症例発表、各講演での最新医療情報提供に対して感謝の辞を述べ「第12回 住吉病診連携カンファレンス」を無事終了しました。 情報交換会ではかかりつけ医の先生方皆様とともに活発な意見交換によって、情報を共有し盛大に会を終えることができました。この場を借りてご参加いただきました関係者の皆様には厚く御礼申し上げます。

情報交換会の様子

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