医療法人錦秀会 阪和記念病院のホームページに、ようこそお越し下さいました。 当病院は、脳卒中診療を主な目的とした第2次・第3次救急指定病院として昭和53年に発足しました。当時、リハビリテーション施設、クリーンルーム、種々の最新医療機器やアイソトープ設備を備えた民間では最先端の病院で、全国から多くの見学者が訪れて脳疾患救急施設としての草分けとなりました。
「人は血管と共に老いる」といわれています。脳卒中の患者さんは脳の血管だけでなく、その他のあらゆる血管にも問題を抱えている可能性があります。日本の人口の高齢化率が近年上昇するにつれて脳、心臓、腎臓、大血管などに複数の病変を併発していることを臨床の現場で多く経験するようになり、それに応じた診療体制が必要となりました。脳神経外科だけでなく、循環器内科や血液透析科の充実を図りました。また、血管障害疾患は発病に季節性があり、繁忙期と閑散期の受診者数変動に対処するため脳神経外科内に脊椎・脊髄センターを創設しました。これを契機に心臓血管センターも立ち上げて内容が強化されました。前立腺肥大症治療の必要性も増してきましたので泌尿器科診療のスタートとなりました。地域の中核病院としての役割を担って参りたいと存じます。当病院は専門病院として特化しておりますので、すべての疾患に対する救急要請には応じ兼ねる弱みがあります。幸いにもこの地域には多くの優れたレベルをもつ病院、診療所が多数あり、地域医療連携室の機能を強化することにより、従来から医療機関相互の機能分担と連携が図られてまいりました。各医療機関の特徴と専門性を生かした機能分化により、地域ぐるみの慢性期医療やターミナルケアなどの相互援助が可能な医療体制となっています。
従来の医療は診療レベルの高さだけを誇ってきた傾向が多々ありますが、こころの苦悩を伴わない病気はありません。肉体の問題よりもむしろ心の悩みの方が大きい場合があります。医学の初心は病気を診るよりも病人を看なければならないことであったはずです。そこで、ご意見箱を各病棟に設置して病院の至らないところをご指摘頂くようにしました。医師は専門用語などの使用を極力控えて一般の方にわかり易い言葉での説明を心がけるようにしました。 さらに、薬剤部、リハビリテーション部、医療工学部、看護部などコメディカルの実践教育に力を入れております。看護師は病院では最大の職員数を占め、患者さんに最も長時間密着した仕事を担当しており、病院の信頼性に大いに関わる職種です。この度、病院に隣接する保育所を新設して支援体制の充実を図りました。
今後とも民間救急病院としての使命を果たすとともに、引き続き、他の地域医療機関との連携強化および医療水準の向上に努めてまいります。また、優秀な医療スタッフと豊富な診断・治療実践によって、新しい治療法や診断法を開発して広く海外にもその成果を明らかにし、古来、営々と築かれてきた医療の発展にいささかなりとも新たな情報を加えるべく努力を傾け、それが地域住民皆様の安全で納得の医療サービスに繋がるように活気ある組織作りに励んで運営を続けて参りたいと思います。今後とも皆さまのご指導、ご鞭撻のほどをよろしくお願いいたします。
平成25年6月
医療法人錦秀会 理事長代行
阪和記念病院事業管理者 種子田 護