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岡本千聡医師が第74回日本心臓病学会学術集会Young Investigator’s Award 最優秀賞を受賞されました。

心不全の症状が現れる前の心臓のエネルギー利用の変化に着目

大阪大学大学院医学系研究科/生命機能研究科 医化学講座、錦秀会 阪和第二泉北病院 循環器内科の岡本千聡医師が、第74回日本心臓病学会学術集会でYoung Investigator’s Award(YIA)最優秀賞を受賞されました。

学術集会は、2026年9月11日から13日に出島メッセ長崎で開催されました。

YIAは、若手研究者による優れた循環器研究を表彰する賞です。最終選考に進んだ5名による口演発表と質疑応答を経て、最優秀賞が決定されました。

症状が現れる前の心臓の変化を探る

今回の研究は、心不全の症状が現れる前に、心臓のエネルギーの使い方にどのような変化が起きているかを調べたものです。心臓に負担がかかると分泌されるホルモン「ナトリウム利尿ペプチド(NP)」に着目しました。BNPなどのNPは心不全の診断や重症度の評価に使われますが、値が低い方の中にも、心臓への負担に対して分泌量が十分でない方がいる可能性があります。

研究では、錦秀会で人間ドックを受診された、心不全症状のない方のデータを解析しました。血液検査や心エコー検査に加え、画像検査で心臓の筋肉への糖の取り込みを調べたところ、NPの値が低い方の中にも、糖の取り込みが増えている方がいることがわかりました。この変化は、心臓への負担に対してNPが相対的に不足している状態と関連していました。

動物モデルで早期の介入による改善を確認

あわせて行った動物モデルの研究では、こうした状態にさらに代謝の負担が加わると、心臓のエネルギー産生が低下し、心臓が広がりにくくなるタイプの心不全(HFpEF)に似た状態へ進むことが示されました。一方、早い段階で介入すると、心臓のエネルギー利用の異常や広がりにくさが改善しました。

この結果は、心不全を発症する前に、改善を目指せる段階がある可能性を示しています。早期介入による改善は動物モデルで得られた結果であり、人での予防や治療への応用には、さらに検証が必要です。

心不全の早期発見と予防を目指して

今後は検証を重ね、健診や日常診療で心不全のリスクを早期に見つけ、詳しい検査や適切な介入につなげる方法の確立を目指します。研究にご協力いただいた受診者の皆さま、健診・診療に携わるスタッフの皆さま、ご指導いただいた先生方、共同研究者の皆さまに、心より御礼申し上げます。

受賞演題

Relative Natriuretic Peptide Deficiency Reveals a Hidden and Reversible Cardiometabolic Vulnerability Before HFpEF

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