総長挨拶

　新春、新成人、新学期、新入生、これらの言葉には人生の中の切り取られた一瞬の心がゆり動かされる「とき」があります。2022年6月、「阪和病院」「阪和記念病院」の2病院が住吉総合病院・阪和第二病院と統廃合され一つの建物に新築されました。これを機会に、旧来の病院の存在意義と医療システムを一新し、近隣住民の方はもとより大阪府・近隣府県の方々の健康アップのお役に立てるように、この2病院はその診療機能を最大限アップグレードしました。
　ご承知のように日本人にとって最もこわい病気は、命を失う観点から「がん、心臓血管疾患、脳卒中、慢性閉そく性肺疾患」であり、日々の生活の不自由さの観点からは、「脳血管疾患後遺症、認知症、フレイル（心身機能低下）、ロコモティブ症候群（関節障害などで動きにくくなること）」です。さらにお年をとればとるほどそれらの病気にかかる確率は飛躍的に高くなり、さらに、お年とともに病気からの回復は遅くなり、ご高齢者の病院での滞在時間が長くなります。
　この高齢化社会に特徴的な病気に対応し、その回復を支援するため、阪和記念病院で間口を広く「がん、心臓血管疾患、脳卒中、呼吸器疾患」などの急性期疾患（急に発症してすぐに治療しないと重篤にあるような病気）やご高齢の方がかかりやすい泌尿器科・眼科・耳鼻咽喉科・整形外科の病気に対応します。さらにその回復期リハビリテーション・慢性期での改善をお手伝いいたします。また、阪和病院では、さらに長期の療養が必要な脳血管疾患後遺症、認知症、フレイル、ロコモティブ症候群などの慢性期疾患に対応させていただきます。つまり、この2つの病院は、いろいろな病気にかかった方々の病期という時間軸に応じたベストな治療を提供させていただきます。その意味では、この2つの病院が同じ建物の中にあるということは、今後の日本の医療に最も必要な新しい病院の形をご提案しているものと自負しております。 さらにこの2病院は、最新の医科学・臨床研究での成果やAIを用いたベストな診療を取り入れて「病に苦しむ方々への大きな福音」と同時に「病に陥らないための新しい方策」をめざし、医師・看護師・薬剤師・検査技師などすべての医療関係者の「心のかよった医療」を広くご提供します。 私どもの病院は、建物は医療法人の所有物ですが、その医療とサービスは私どものものではありません。それは皆様のためのものです。皆様のためにベスト医療を24時間365日ご提供いたしますので、どうぞ安心しておかかりください。あなたの老後はこれで安泰です。