外科Surgery
高齢者の外科治療では、年齢、基礎疾患、既往歴、ADLなどを考慮して、QOL改善目的での、治療法選択が重要です。根治手術ではなく姑息手術を選択したり、手術適応の症例であっても、患者様や家族様が積極的治療を希望されないこともあります。
当院では患者様の高齢化や重症化に伴い、通常の手術症例は減少傾向で、小手術や処置の比率が増加しています。一方で、胃瘻の管理や褥瘡の治療などが重要な課題となっています。当科では平成6年から内視鏡下胃瘻造設術を行っており、造設手技を改良・工夫し予後の改善に努めています。また造設後の胃瘻チューブ交換も内視鏡下で行うことで、胃瘻栄養中の合併症発生を予防しています。褥瘡に対しては、定期的な回診と患者様ごとの適切なケア指導や多職種による症例検討により、予防と治癒をはかり患者数を減少させています。 これからも、地域に根差した医療・福祉サービスを継続して行うとともに、高齢者の各種疾患の診療の向上に努めて参りたいと考えています。