当院消化器内視鏡室の特徴

内視鏡検査

苦痛の少ない上部内視鏡検査(胃カメラ)

 

胃カメラ検査は咽喉頭部、食道、胃、十二指腸などをカメラを用いて直接目でみて観察する検査であります。食道癌や胃癌などの早期発見に有効であり、また、逆流性食道炎や胃潰瘍、十二指腸潰瘍、ピロリ菌感染性胃炎など様々な病気を発見することができます。胃カメラは苦しい、しんどいという認識が広まっていますが、医師の技術の向上と医療機器の進歩により従来に比べ苦痛は軽減されています。また、当院では鎮静剤を用いた胃カメラ検査を積極的に実施しています。適量の鎮静剤を点滴より投与することによって、完全に寝た状態ではありませんが、うとうとした状態で検査を受けることができます。少しうとうとするだけですので検査後少し休んで頂き帰宅頂くことが可能です。
また、鎮静剤を使用しなくても医師、看護師、内視鏡技師含め全ての医療スタッフが患者様に寄り添い、安心して検査をお受け頂けるようにお声かけや、対応をさせて頂きます。当院では患者様の要望に応えて、安心して胃カメラを受けて頂けるシステムを構築し苦痛の少ない検査を実施しています。ご不明な点や不安なことがあればお気軽に当院スタッフにお尋ね下さい。

下部消化管内視鏡検査(大腸カメラ)

 

大腸カメラ検査は大腸ポリープ、腫瘍、炎症、出血源などをカメラを用いて直接目でみて観察して処置する検査であります。前日などに1.5ℓの下剤を飲んで大腸の便をきれいにしてから検査を行います。当日の検査時間は30分程度です。鎮痛薬(痛み止め)や適量の鎮静剤を点滴より投与することによって、検査中の苦痛を軽減する事に努めております。なお、当日は薬の影響によりふらつきの危険があるため、自転車や車の運転は禁止であることに注意して下さい。また、検査後日も体調不良や出血が続く場合はご連絡下さい。
大腸癌は日本に最も多い癌ですが早期の段階では症状はありません。大腸は40歳を過ぎたら誰しも一度は調べるべき臓器です。お気軽に当院スタッフにご相談下さい。

内視鏡治療

消化管早期癌切除(上部・下部ESD)

早期癌(食道・胃・大腸)に対して、大きさに関わらず一括切除が可能な内視鏡処置であり、術後の局所再発が低率となります。従来外科手術で切除していた一部の早期癌が内視鏡治療で切除可能となり、臓器の機能温存が可能なことや早期社会復帰を期待できることから低侵襲治療とされています。

内視鏡的粘膜切除術・ポリペクトミー(EMR)

消化管腫瘍(主に大腸)を切除する処置であり、近年10㎜未満の大腸ポリープに対して高周波凝固処置を使用しないコールドポリペクトミーによる内視鏡的切除例が増加しています。
大きな有茎性の大腸ポリープに対しては、留置スネアを使用し後出血の予防に努めております。

胆道系検査治療(ERCP・EST・PTCD)

地域に根差す肝臓専門施設・内視鏡専門施設・消化器病専門施設として、当院では閉塞性黄疸(総胆管の閉塞などによる症状、結石、胆管癌など)に対して、内視鏡・経肝臓からのアプローチとして、ERCP(内視鏡的逆行性胆膵造影)、PTCD(経皮経肝胆管ドレナージ)などを行っております。
専用の内視鏡を使用した治療・検査であり、こちらも鎮静剤を使用することによって痛みのないように努めております。

超音波内視鏡検査・穿刺(EUS/FNA)

上部内視鏡(胃カメラ)の先端に超音波(エコー)の装置がついていてる装置であります。胃カメラでは粘膜の表面の観察のみですが、この装置では粘膜の下の層の断面(胃癌の深さの評価、胃粘膜下腫瘍、静脈瘤等)や、周囲の臓器(胆管、胆嚢、膵臓、リンパ節等)が観察できます。他の検査(腹部超音波)と比べた際の特徴として、体の表面からの腹部超音波検査では胆管、すい臓は体の中心近くにあるために、観察しにくいことがあります。これに対してEUSではより近くからの観察となるので詳細に評価することができます。さらに、FNAを行うことで病変から細胞を採取して顕微鏡での診断を追加できることも大きなメリットです。検査は鎮静薬を使用して行い、EUSは外来または入院で、FNAは入院で行っております。詳しくは、お気軽に担当医にご質問ください。
対象となる疾患は総胆管結石、胆管腫瘍(胆管癌他)、胃粘膜下腫瘍(GIST、NET、脂肪腫他)、胃食道静脈瘤、膵腫瘍(膵癌、IPMN、MCN、NET他)膵炎、リンパ節腫脹などが挙げられます。

肝臓の検査・治療(RFA・AG・TACE・分子標的薬・造影エコー)

ウイルス性肝炎、肝硬変、肝癌をはじめ、各種肝疾患に対して幅広く治療を行っています。ウイルス性肝炎に関しては、肝炎の進行抑止、肝癌の発癌抑制を念頭に、C型肝炎には、経口薬(DAAと呼ばれます)によるC型肝炎ウイルスの排除(根治)、B型肝炎にはテノホビル治療など最新の抗ウイルス治療を積極的に行っています。
肝癌の診断・治療評価には造影超音波エコーや最新のCT、MRI機器を用いた画像検査を行い、診断精度の向上に努めています。肝癌治療においては、局所療法であるラジオ波焼灼療法(RFA)をはじめ、肝動脈塞栓化学療法(TACE)、分子標的薬を用いて集学的治療を行っています。RFAに関しては、CT画像とエコー画像を対比できるエコー装置(スマートフージョンシステム)を用い、安全で確実な治療を心がけています。癌の部位により通常のRFAによる経皮的治療が困難な場合は、人工胸水・腹水を併用したRFAも施行しています。
他にも、生活習慣病から生じる脂肪性肝炎やアルコール性肝疾患、自己免疫性肝疾患、巨大肝のう胞など、各種肝疾患に対して幅広く積極的な治療を行っておりますので、肝疾患に関し、ご不明な点があればお気軽に受診してください。

 

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各肝臓検査の特徴