ご挨拶
阪和記念病院臨床研修センターのホームページをご覧いただき、ありがとうございます。
当院は1978年に脳卒中診療を主な目的とした第二次救急指定病院として発足して以来、高度医療技術を有し救急処置からリハビリテーションまで一貫した医療を提供してまいりました。2022年6月1日には医療法人錦秀会の系列4病院が集約移転し、急性期疾患から回復期、慢性期を包摂するケアミックス型病院として新たなスタートを切りました。従来からの脳卒中などの脳疾患や、脊椎脊髄疾患、循環器疾患、透析医療に加えて、消化器センターでは消化器内科と外科が共に消化器疾患(特に消化器癌)の治療に重点をおいた診療を行い、鏡視下手術、化学療法にも積極的に取り組むと同時に消化器救急診療にも対応しております。
当センターでは、医師としての基本的な診療能力を習得するとともに、「やさしく”生命(いのち)”をまもる」という法人理念のもと、患者さんの立場に立った全人的医療を実践できる医師の育成を目指しています。専門的な知識と技術はもちろんのこと、患者さんとの信頼関係を構築できるコミュニケーション能力を有し、チーム医療の一員として活躍できる医師を育てることを使命としています。
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センター長
林 孝俊1983年宮崎医科大学医学部を卒業後、神戸大学や同大学関連病院で研鑽を積む。心筋梗塞や心カテーテル治療の専門医でMBA(ヘルスケアマネジメント修士)資格を有する。兵庫県立姫路循環器病センター循環器内科部長や兵庫県立淡路医療センター副院長・救急救命センター長を務め、研修医や専門医育成に力を尽くした。2022年7月より現職。
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副センター長
矢田 豊富山医科薬科大学(現 富山大学)、同大学院卒(医学博士)。Duke大学Liver Center研究員、North Carolina大学Chapel hill校研究員、東京大学消化器内科届出診療医、富山大学第三内科医局長・診療講師、群馬県済生会前橋病院消化器内科代表部長(臨床研修センター)を経て現職、大阪公立大学肝胆膵内科癌治療学講座特任准教授。
臨床研修の特色
当院の臨床研修の特色は以下の通りです。
1. 充実した指導体制:
各診療科の指導医による熱心な指導のもと、基本的診療能力の習得を目指します。
2. 豊富な症例経験:
第二次救急指定病院として24時間体制で重症患者の診療を行っており、幅広い症例を経験できます。
3. シームレスな研修環境:
急性期から回復期、慢性期まで一貫した医療を提供する環境で、患者さんの経過を継続的に学ぶことができます。
4. 専門分野の経験:
脳卒中、脊椎・脊髄、心臓血管など、当院の特色ある診療科での研修が可能です。
5. チーム医療の実践:
多職種連携によるチーム医療を学び、医療チームの一員としての役割を理解します。
施設概要
阪和記念病院臨床研修センターは、医療従事者の方々や将来医療に従事することを目指す医学生・看護学生等に対して、学習・研修・訓練等の機会を提供し、地域医療を担う医療人の育成を目的としています。
技能トレーニング器材
当センターでは、実践的な臨床技能を習得するための様々なシミュレーターや医療機器を完備しています。これらの器材を活用することで、患者さんの安全を確保しながら、確実な医療技術を身につけることが可能です。
主な設置機器
研修関連機器
当センターでは、実践的な臨床技能を習得するための最新のシミュレーターや医療機器を完備しています。これらの器材を活用することで、患者さんの安全を確保しながら、確実な医療技術を身につけることが可能です。
救急・蘇生関連
高機能患者シミュレーター(多職種連携ハイブリッドシミュレータSCENARIO 京都科学):
Made in JAPANのシナリオとモデルを組み合わせた最新のシミュレータです。クリティカルケアや在宅ケアを必要とする患者へのフィジカルアセスメントを想定したシナリオトレーニングが可能です。異常な呼吸音、心音、腸動音など様々な症状を再現し、医療チームでの連携や対応力を養うために活用しています。
AEDトレーナー:
一次救命処置(BLS)の訓練に使用します。
静脈路確保トレーナー:
末梢静脈路確保、中心静脈カテーテル挿入などの手技を練習できます。
経管栄養シミュレータ 11386-000(京都科学):
介護職員による経管栄養手技研修に準拠した実習用シミュレータです。経鼻・経口経管栄養カテーテル挿入、カテーテル到達確認、胃瘻ケア、栄養剤注入などの実習が可能です。臨床現場で必要となる経管栄養の手技を安全に学べます。
吸引シミュレーター M175(坂本モデル):
呼吸管理の基本となる気管内吸引法を学習するためのシミュレーターです。口腔内・鼻腔内の吸引に加え、挿管チューブ内の吸引も可能で、さまざまな吸引法の習得に最適です。柔軟に可動する頭部と下顎により、実践的な手技トレーニングができます。
内視鏡検査関連
大腸内視鏡検査シミュレーター(NKSコロンモデル(CTC解析モデル)MW24 京都科学):
CTC(大腸CT検査)解析結果をもとに作成された最新の大腸内視鏡トレーニングモデルです。透明ボディの採用により、スコープの確認や腸管の形状が視覚的に理解でき、術者だけでなく周囲の医師や看護師の学習も促進します。直腸の再現性を重視し、腸管形態を3つのパターン(Small αループ、Large αループ、Nループ)に分類することで、様々な挿入技法のトレーニングが可能です。軽量・小型化により持ち運びが容易で、効率的な大腸内視鏡技術の習得に最適です。
外科手技関連
腹腔鏡トレーニングボックス:
腹腔鏡手術の基本操作を練習できます。
血管吻合トレーナー・マイクロ吻合練習用実体顕微鏡 FLEXCAM 12730533(ライカマイクロシステムズ):
血管縫合や吻合の技術を習得できるトレーナーと、微細な血管吻合や縫合技術の練習に最適な高精度実体顕微鏡のセットです。優れた光学性能と操作性を備え、ミクロレベルの精密な手技の習得が可能です。医師として重要な微細手術技術のトレーニングに最適な組み合わせです。
これらの器材を活用して、臨床現場で必要とされる技能を安全かつ効果的に習得することができます。指導医の指導のもと、繰り返し練習することで確実な技術を身につけることを目指します。
研修プログラムの概要
基本理念
臨床研修は、医師としての人格をかん養し、将来専門とする分野にかかわらず、医学及び医療の果たすべき社会的役割を認識しつつ、一般的な診療において頻繁に関わる負傷又は疾病に適切に対応できるよう、基本的な診療能力を身につけることのできるものでなければなりません。
研修目標
1. 患者さんを全人的に理解し、患者・家族と良好な人間関係を確立する能力を養う
2. 医師としての基本的知識・技能・態度を身につける
3. チーム医療において他の医療従事者と適切に連携する能力を養う
4. 医療安全や感染対策の重要性を理解し、実践する
5. 患者さんの社会的背景や心理的側面を考慮した診療ができる
6. 医師としての社会的責任を自覚し、医の倫理に配慮した診療を行う
研修期間
当院は協力型臨床研修病院であり、初期研修2年のうちの初年度の1年間の研修を行います。
研修内容
当院での初期研修では、臨床の基本の習得に重点を置いた研修を行っています。当院の研修プログラムでは、以下のようにローテーションします:
内科(6ヶ月)
基本的な内科疾患の経験によりプライマリケアの基本を身につけることを目標としています。症例カンファレンス、回診の他、他院とのカンファレンスなども行っています。
外科(3ヶ月)
消化器センターにおいてスタッフの一員としてチーム医療を実践します。消化器外科・一般外科の症例を指導医とともに担当し、手術にも参加します。また症例カンファレンス、回診、抄読会なども行っています。
救急部門(3ヶ月)
救急手技習得とともに救急外来当直(内科)を担当することにより、できる限り多くの救急症例を経験できるよう配慮しています。
研修に際しては、良好な患者・医師関係の確立、一般的な疾患・症状の経験を重視し、臨床医としての基本を身につけることを目標にしています。
臨床研修管理委員会
当院には、臨床研修の円滑な実施と研修医の管理・評価等を行うため、臨床研修管理委員会を設置しています。委員会は以下のメンバーで構成されています:
• 副院長・プログラム責任者
• 協力型臨床研修病院の研修実施責任者
• 臨床研修協力施設の研修実施責任者
• 事務部門の責任者
• その他委員会が必要と認めた者
病院見学
当院では随時、病院見学を受け付けています。見学をご希望の方は、以下の連絡先までお問い合わせください。
研修医からの声
当院で研修を行っている研修医の先生から、実際の研修体験についてお聞きしました。

薮田侑威先生(大阪公立大学たすきがけプログラム研修医)より
私は大阪公立大学のたすきがけプログラムで研修医1年目の間、阪和記念病院で勤務させていただいております。阪和記念病院での研修はとても自由度が高く、自分の学びたいことを重点的に研修することができます。診療科間の垣根も低く、ローテ中以外の診療科の先生でも、手技などがあれば呼んでくださり、やらせていただけるため、非常に充実した研修医生活を送ることができております。また、消化器の内視鏡や循環器のカテなど処置件数も多く、専門性の高い内容を学ぶこともできます。
交通アクセス
住所: 〒558-0041 大阪府大阪市住吉区南住吉3-5-8
最寄り駅:
• JR阪和線「我孫子町」駅下車、北西に徒歩5分
• 南海高野線「沢ノ町」駅下車、東に徒歩約10分
• 地下鉄御堂筋線「長居」または「あびこ」下車、徒歩約20分
お問い合わせ
医療法人錦秀会 阪和記念病院 臨床研修センター
TEL: 06-6696-5591(人事労務課)
Email: hanwakinen@kinshukai.or.jp
ホームページ: https://kinshukai.or.jp/hanwakinen/
担当: 人事労務課 浅田・竹内
お気軽にお問い合わせください。