「健康スリム外来」を開設しました!
阪和記念病院では、このたび 「健康スリム外来」 を新たに開設いたしました。
本外来では、消化器内科と循環器内科が連携し、より総合的かつ専門的な診療を提供いたします。
肥満は“見た目”だけの問題ではありません
近年、肥満は単なる体重増加にとどまらず、糖尿病・高血圧・脂質異常症などの生活習慣病や、脂肪肝・肝硬変、心血管疾患、さらには一部のがんの発症リスクとも密接に関係していることが明らかになっています。
当院の健康スリム外来では、こうしたリスクを早期に発見・評価し、適切な治療や予防につなげることを重視しています。
一人一人に最適な医療プランを
診療では、内臓脂肪の蓄積や代謝異常の指標を多角的に評価し、個々の患者さまに合わせたオーダーメイドの治療方針を立てます。すなわち、血液検査・腹部超音波検査などを通じた病態の把握、必要に応じた栄養指導・運動療法・薬物療法、GLP-1受容体作動薬などの先進的治療の導入といった包括的なアプローチを行います。
消化器・循環器の専門医がチームでサポート
肥満に起因する 脂肪肝や心機能への影響についても、それぞれの専門性を活かしながら評価・管理します。消化器内科と循環器内科が連携することで、単一の視点にとどまらない、より的確な医療を提供いたします。
メンバー紹介
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栄養部
尾上 理香 -
看護部
寺下 千穂
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薬剤部
山本 亜矢子
肥満治療と管理栄養士の関わり
肥満の合併症リスクにはこのようなものがあります。
- 生活習慣病
- 心血管疾患
- 睡眠時無呼吸症候群
- 変形性関節症
- 非アルコール性脂肪性肝疾患
- 特定のがん
肥満治療薬を処方するためには、診察や検査とともに2か月に1回以上の栄養指導の継続が必要となります。肥満治療薬は、補助的なものであり、食事療法や運動療法を継続することでより効果的な治療となります。
肥満治療において難しいのは、減量意欲を高め、食事療法や運動療法を継続できるモチベーションを維持することです。私たち管理栄養士は、患者さまが自分の食事行動を意識し、行動できるようサポートするため、生活習慣に合わせた食事計画を提案することを心がけています。
減量とは、食事によるエネルギー摂取量を減らし、運動によるエネルギー消費量を増やすことです。体脂肪1kgを減らすためには、約7,000kcalのエネルギーを減らす必要があります。そこで、わかりやすい目標を立てるため「食事指導減量計画シート」を作成しています。
急激な減量を行うと、代謝の低下やエネルギー不足に加えて、タンパク質、ビタミン、ミネラルの不足などを招きます。体格に合った適正エネルギーの摂取が大切です。
肥満症のお薬ってどんなお薬?
健康スリム外来でのみ処方が可能なお薬をご紹介します。
ゼップバウンド(2025年4月11日発売開始)

ウゴービ(2024年2月22日発売開始)

これらのお薬の適応症は「肥満症」です。他の適応症では承認されておらず、肥満症以外の使用は適応外での使用となります。
保険適用で処方できる病院は厳しく制限されています。条件として、肥満症治療に関連する学会(日本糖尿病学会、日本内分泌学会、日本循環器学会のいずれか)の専門医が常勤しているそれらの教育研修施設であり、管理栄養士が常勤していないといけません。そのため、一般的なクリニックなどによる保険適用での処方は簡単に許可されません。
このお薬は、もともとは糖尿病治療のために開発されたお薬ですが、食後の血糖値の急上昇を抑え、さらに脳に作用して満腹感を高めることで食事の摂取量を減らします。その結果、体重の減少が期待できます。
※「肥満症」と診断された後、通院と2か月に1回以上の栄養指導、食事療法、運動療法を6か月間行っても十分な効果がなく、次の【適応条件】を満たす場合、ウゴービまたはゼップバウンドの処方が保険適用での対象となります。
【適応条件】
高血圧、脂質異常症または2型糖尿病のいずれかを有し、食事療法・運動療法を行っても十分な効果が得られず、以下に該当する場合に限る。
・BMI が 27 kg/㎡ 以上であり、2 つ以上の肥満に関連する健康障害を有する
・BMI が 35 kg/㎡ 以上
(BMIが35 kg/㎡未満の場合に該当する疾患)
・耐糖能障害(2型糖尿病・耐糖能異常など)
・脂質異常症
・高血圧
・高尿酸血症・痛風
・冠動脈疾患
・脳梗塞
・非アルコール性脂肪性肝疾患
・月経異常・不妊
・閉塞性睡眠時無呼吸症候群・肥満低換気症候群
・運動器疾患
・肥満関連腎臓病
適応条件に該当している方、最近体重が増えてきたのが気になっている方は、健康障害のリスク軽減をめざすためにも、ぜひ当院の健康スリム外来にお越しください。

